澤田智子
大阪出身の偉人や有名人は数多くいますが、経済や文化の側面から大阪を支えた人物といえば五代友厚の名前がまず挙がるでしょう。
五代は元々日本経済を語る上では外せない人物でしたが、最近ではNHKのドラマ『あさが来た』や『青天を衝け』で魅力的なキャラクターとして登場し、知名度もより向上しています。
五代自身は鹿児島県出身ですが、大阪通商会社・大阪貿易会社、大阪活版所、大阪株式取引所の設立など・・・・・・。数え切れないほどの功績を大阪を中心とする関西地方で残してきたため、大阪には五代友厚ゆかりの場所がいくつか存在します。
そこで、誰もが知る有名なスポットから、地元民でも「まさかあそこも関係があったとは・・・・・・」と驚いてしまうような、五代友厚ゆかりの地をいくつかご紹介します。
・大阪商工会議所
大阪の商業のみならず経済や文化の礎を築いたともいえる場所が「大阪商工会議所」です。五代が初代会頭となった商工会議所は、明治維新の影響で打撃を受けた大阪経済を立て直す場所となりました。
会議所の近くにはミュージアムもあり、五代の偉業をはじめとし大阪の企業家たちの功績や歴史を学ぶことができます。
現在会議所があるビルの前には五代友厚にくわえ、7代会頭の土居通夫、10代会頭の稲畑勝太郎と過去に偉大な功績を残した会頭たちの銅像が3体建っています。大阪には商工会議所をはじめとし五代の銅像が設立されているスポットがいくつか存在するので、ファンの方は巡ってみては。
・商工稲荷神社
商工会議所の隣にある「若宮商工稲荷神社」。こちらも「商工」の名の付くことからわかる通り、五代と深いかかわりのある神社です。
「商工稲荷神社」は、五代が明治時代に商工の発展を祈り建立したもので、かつて豊臣秀吉が大坂城築城にあたって建立したといわれる「若宮稲荷神社」と合祀されています。
経済の父ともいえる五代と立身出世の戦国大名・豊臣秀吉が関わっている由緒ある神社。転職や起業をする際には訪れたいスポットですね。
・大阪科学技術館
細長い形が特徴的な「靭公園」の近くにある「大阪科学技術館」。入場料無料で、展示や体験コーナーなどで地球やエネルギー、科学物質について学べます。
一見五代とは関係のない場所に思えますが、この技術館も五代とゆかりのある場所なのです。
技術館は、かつての五代友厚邸の跡地に建てられました。今ではほとんど五代の痕跡を感じられるものはありませんが、五代邸の瓦が飾られているんだとか。
・大阪市立大学
1880年、五代友厚ら関西における経済界の有力者たちが作った「大阪商業講習所」。こちらは当時、商業の中心地として栄える大阪に商業を学ぶ学校がなかったことで創立されました。
令和の現代では「大阪市立大学」に名前を変え、大阪市内の杉本・阿倍野・梅田の3カ所にキャンパスをかまえています。
2016年には五代とより縁深い商学部の近くに新しく五代友厚像が設置されました。勉学をおさめる大学にある像らしく、片手に本を持ったビジュアルが特徴的。他の五代友厚像と見比べてみても面白いでしょう。
・日本銀行大阪支店
大阪・中之島といえば関西でも有数の美景スポット。その中之島にある「日本銀行」の大阪支店は、五代が半年ほど過ごした別邸があった場所に建てられています。
残念ながら中に立ち入ることはできませんが、明治時代の名残を感じられる建物は外から眺めるだけでも見ごたえが抜群です。
・大阪証券取引所
最後に五代ゆかりの地としてご紹介するのは、北浜にある「大阪証券取引所」。建物の前に鎮座している五代友厚像はあまりに有名で、大河ドラマや朝ドラで五代にスポットが当たった時期には多くの観光客が写真を撮る姿が見受けられました。
経済への貢献は、五代の功績のひとつ。大阪証券取引所の前身である「大阪株式取引所」の発起人となった五代は、そこから大阪経済の基盤づくりに取り組みました。
取引所の建物は格調高い雰囲気が漂いますが、実は事前予約をすれば内部を見学可能です。株式を学べる展示コーナーやパネルなどが並ぶので、株や先物取引について学びたい人にはおすすめの場所となっています。
今回ご紹介した五代ゆかりの地はまだまだほんの一部。その足跡を感じられる場所を巡るうちに、五代のみならず日本経済や商業への造形がより深まっていくでしょう。
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